FinTech news

FinTech、とくに資産運用系のスタートアップサービスを中心に紹介します。

アメリカの独立系フィナンシャル・アドバイザー(IFA) というビジネス

ダイレクトにFinTechの話題ではないのですが、米国での資産運用系FinTechサービスの事情を知る上で重要となる独立系フィナンシャル・アドバイザー(IFA)のビジネスモデルについて、Market Hackさんがまとめていますのでご紹介します。

markethack.net

米国では、証券会社・銀行などに所属せず、独立して個人投資家に資産運用のアドバイスを行うフィナンシャル・アドバイザー(Independent Financial Advisor, IFA)が多数存在します。

金融商品を購入する際に、独立系のフィナンシャル・アドバイザーあるいはFPの意見を聞くことがほとんどなく、売り手である証券会社や銀行の営業マンの話だけで買ってしまうことの多い日本とは、かなり事情が異なります。

IFAは投資家の年齢、資産状況、リスク許容度、などに応じて、下図のようないくつかのモデルポートフォリオを元に資産構成のアドバイスをします(Market Hack記事より転載)。

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上記モデルポートフォリオのように、購入を提案するのはコストの安いETFで組んだポートフォリオとなることも多いようです。

IFAはこういった資産運用アドバイスを投資家に提供し、年間で預かり資産の約1%の手数料収入を得ます。このIFAのサービスの競合として登場してきたのが、以前の記事でもご紹介したいわゆる「ロボ・アドバイザー」と呼ばれる、BettermentやWealthfrontのようなFinTechサービス。人間の手を介さずに0.25%などの低コストでモデルポートフォリオを提供し、コストに敏感な若年層の支持を得つつあります。今後はIFAはよりきめ細かく、家族構成の変化などに応じてアドバイスをパーソナライゼーションすることによって、ロボアドバイザーに対抗していく必要があると思われます。

さて、アメリカと違ってIFAが普及しておらず、資産運用アドバイスにお金を払う文化が根付いていない日本では、低コストで上質なポートフォリオアドバイスを提供するロボ・アドバイザーが登場しても、そもそもシェアを奪うべきIFAの市場が存在しないということになります。個人投資家に低コストで分散投資を提供するのは重要な使命ではありますが、それをビジネスとしてどう成り立たせていくかは大きなチャレンジがあると言えそうです。