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ディープ・ラーニングが投資にイノベーションをもたらす可能性

人工知能における50年に一度のブレイクスルーとも言われているディープ・ラーニング。Googleの画像認識や、AppleのSiriなど音声認識などの分野では応用が進んでおり、さらにイノベーションを起こすと期待されている技術です。

このテクノロジーはいずれ金融の世界にもイノベーションを起こすであろうと思われますが、まだ目立った応用はないようです。そんな中見つけたのがこちらの論文。

http://cs229.stanford.edu/proj2013/TakeuchiLee-ApplyingDeepLearningToEnhanceMomentumTradingStrategiesInStocks.pdf

内容は、米国株のトレーディングにDeep Learningを用いるというもので、過去の値動きのみを入力データとして与え、その株が次の月に上がるか下がるかを予測してトレードするというもの。論文によるとシミュレーションによる年率リターンは45.93%で、単純なモーメンタム戦略(上がった銘柄を買う)の10.53%と比較して大幅にリターンを改善できた、としています。

この論文はStanfordの大学院の授業の提出レポートで、学位論文でもない短いレポートのためシミュレーションは粗削りではあるものの、ディープラーニング技術の投資への活用の可能性が少しは感じられます。Forbesによると、この授業 CS229: Machine Learning(機械学習)はStanfordで最も人気がある授業で、760人以上が受講しているとのこと。オンライン学習プラットフォームのCourseraでも受けることができます。

www.forbes.com

講師のAndrew Ng氏は機械学習の分野の第一人者で、最近中国のBaiduに引き抜かれています。

最新テクノロジーの中でもホットな分野、ディープ・ラーニングをはじめとする機械学習を、投資の分野に応用する研究は進んでいるのではないかと思います。近いうちに成果が報告されるのではないかと期待されます。