FinTech news

FinTech、とくに資産運用系のスタートアップサービスを中心に紹介します。

急成長するロボ・アドバイザーサービス、収益性は?(The Economist)

またThe Economistですが、10月30日号に米国ロボ・アドバイザーの成長鈍化と収益性についての記事が出ていましたので紹介します。

www.economist.com

米国ロボ・アドバイザーのビッグ2はWealthfrontとBetterment。2014年には毎月10%預かり資産を伸ばし(7ヶ月で倍増のペース)ていましたが、その成長速度が5%程度に鈍化しているというのがこのグラフ。

http://cdn.static-economist.com/sites/default/files/imagecache/original-size/images/print-edition/20151031_FNC334.png

しかしこれは今夏の株式市場の急落が大いに影響しているので、鈍化とまでは言えないのではないかと思います。

それより気になるのが、当ブログでもたびたび指摘している収益性についてのコメント。ロボ・アドバイザーの収益源は預かり資産の0.25%程度の手数料。BettermentもWealthfrontも現在の預かり資産をは$2.9bn=3000億円超ですから、年間の売上は$7m=10億円弱くらい。どちらも社員は100名くらいいて広告宣伝費もかなりかけており、総コストは年間$40-50m=5~60億円と言われています。

ブレイクイーブンに持って行くにはこれから預かり資産を5-6倍にしなければならず、VCが株主にいる以上、何十年もではなく数年でそれを達成する必要があります。Charles Schwabなど大手金融機関も同様のサービスを立ち上げ競争が激化していく中、今後も成長ペースを守っていくのは簡単ではなさそうです。

当ブログでも、8月に世界最大の資産運用会社Blackrockがロボ・アドバイザーのFutureAdvisorを買収、というニュースを紹介しました(下記リンク)が、このような形で大手金融機関による買収という形でのイグジットも多くなるのではないかと思います。 

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