FinTech news

FinTech、とくに資産運用系のスタートアップサービスを中心に紹介します。

お金のデザインがロボ・アドバイザーサービス THEO[テオ] を本格開始

株式会社お金のデザインが、ロボ・アドバイザーサービスを本格開始しました。

theo.blue

投資一任で海外ETFポートフォリオを作成、自動リバランスしてくれるサービスです。スマホでいくつか簡単な質問に答えるだけでユーザーのリスク許容度を判定、それに合ったポートフォリオを提案してくれます。信託報酬は1%。これが最初の1年は月500円となるキャンペーン中。

当ブログでも指摘してきたように、ロボ・アドバイザーサービスへの疑問点はいろいろあります。

・1%の報酬率に見合うサービスなのか?「これまで一部の富裕層や機関投資家だけが享受してきたプロの資産運用」を低コストで提供というが、中身はパッシブ運用ETFへの分散投資であり、どのオンライン証券会社でも低コストで買えるもの。ヘッジファンドやPEなど、超富裕層や機関投資家だけが投資できる資産クラスにアクセスができるようなサービスではない。

・ユーザー対していくつか質問をしてリスク許容度をランク付けするのだが、個々人のキャッシュフローニーズ(家を買いたい、教育資金が必要、など)や現在の資産状況などを考慮した、よりカスタマイズしたアドバイスにはなっていない。

・作成されるETFポートフォリオはスタンダードなもの。個人投資家にとっては、VT(バンガード・トータル・マーケットETF)とキャッシュの比率を調整するだけでも十分なのではないか。

100億資産を集めて売上1億ですから、ブレイクイーブンに持って行くにはかなりの資産規模が必要になりますし、今後競合も増えて報酬率も米国レベルの0.25%に向けて下がっていくことが予想されます。

が、現在金融機関が提供しているラップ口座のサービスに比べれば、低コストで分散投資ができるサービスの選択肢が個人投資家に用意されたことは喜ばしいことです。お金のデザインにはトップランナーとしてがんばってほしいですね。