FinTech news

FinTech、とくに資産運用系のスタートアップサービスを中心に紹介します。

低コストでテーマ型投資を提供するMotif Investing

ちょっと変わり種の資産運用Fintechスタートアップを紹介します。シリコンバレーのMotif Investing。

www.motifinvesting.com

Motif Investing は "Online Brokerage & Investmen Ideas" ということで、株式やETFが購入できるオンライン証券会社ですが、テーマ型ポートフォリオを安価に提供しているのがユニークな点です。

提供するテーマ型ポートフォリオは "motif"(日本語の「モチーフ」)と呼ばれ、"Shale Gas" "Biotech" "Obamacare"などの投資テーマごとのmotifが登録されています。それぞれのmotifには30銘柄までの株式とETFが登録されています。

ちなみに過去1ヶ月リターンが一番いいmotifは "Bear International Market"。中身は中国、ブラジル、欧州、新興国のベアETFからなるポートフォリオで、下げ相場の中+31%というリターンをあげています。

motifを購入する際に$9.95の手数料がかかります。他のオンラインブローカーで個別に株式やETFを購入するよりも手数料レベルは安いですね。

面白いことに、ユーザーは自分のオリジナルのmotifを登録することができ、他のユーザーがそのmotifを購入するごとに、$1のクレジットがもらえるそうです。20万ユーザーが、18万以上のmotifを登録しているそうです。

ロボ・アドバイザー大手のWealthfrontやBettermentが提供する分散されたポートフォリオは万人の資産形成に役立つものですが、そうしたETFポートフォリオに投資するだけでは退屈で、自分の興味のあるテーマや株式に投資したいという人はいるはずです。Motif Investingはそうした投資家に低コストでテーマ型ポートフォリオを提供し、また投資家が自らmotifを登録しクレジットを受け取ることができる仕組みによって、投資家コミュニティを形成しようとしています。

テーマ型投資はメインストリームには成り得ないですが、面白いFintechビジネスなのではないでしょうか。Motif Investing社としては$9.95のブローカー手数料だけで黒字にもっていくのは難しいと思いますが、ユーザーの登録するmotifなど、コミュニティの部分でマネタイズする仕組みが作れると面白いのではと思います。